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へりくつ [カナダ]

今週は運動器理学療法のケースカンファレンスに数日間参加させてもらいました。教育体系が違うことと大事なことに気が付かされました。例えば本学で行われている臨床実習終了後のケースレポートで重要視されるのは、実習指導者の視点が大きいように思います。未完成の実習生にとっては指導者が大きな影響を持つために、指導者によって実習も違ってくるわけです。しかしこちらではやはり、指導者よりも「根拠」が重要視されると強く感じました。もしかすると海外留学経験者が日本との大きな相違点と感じている点かもしれません。このエクササイズを選んだ理由は、誰それのなんという新しい文献を必ず付ける点です。論理性でしょうか。ある分野の、世界の潮流を知るという必要性は当然あると思います。といいますかそれ位のことは確かに必要です。世の中(といっても今は主に英語native 国なのでしょうが)の流れを知った上でということです。ルールを知ってスポーツやるということで、武道でいえば型の練習にあたるものと思われました。世界の流れを知ることはもちろん優れた方々はされていますが、そこの“徹底さ”が少し異なる気がしました。ただ潮流を知るのにはそれほど時間がかかる訳ではないとも思います。カナダでも他国をすべて是認するスタイルでは決してありません。ただその中に日本の話題が全く出てこないのはおかしいことです。これは明らかに英語論文ベースのことです。この部分は明らかに不足しています。「優れているものは優れている」と分かるまでに結構時間が必要ですし、見極めが必要になる訳で、見極めを「自分の感覚」だけでするなら相当な技量が必要に思います。
どうしても考えてしまうのはそこから新しいものを生み出すための工夫ができないかです。潮流を知った上で顧みる姿勢は自分に足りないところを補完してくれるとも思います。論理性の根拠は、大抵他人に依存してしまいます。「正しい自分の感覚」で補完できれば判断力が上がるのではないのかなと。そして「根拠とされていることは正しいのか」という点に及んで欲しいですし、そうでないと埋没して誰かに追随するということになると思います。新しいものを作らないゴールは学位や職位などの見える形に揺さぶられるようにも思います。自分の分野で「堂々と議論する」ゴールなら高い山でも方向が決まりやすいのではないかなあ。何かしら創ってこられた方々の根元には、潮流プラスアルファがあって、このアルファは組み合わせやアナロジーなどによって産み出される面白い仕事に思えます。そう思って自分の周りで創造的な仕事をしていた方のことを思い浮かべると「ああそうだよな」と勝手に納得してしまいます。五感を高める必要性はこの辺りにあるのはないかと。海外に出るアスリートは、実力はもちろんですが他人の評価よりも自分を信じる側の五感が強いから出ていけるのかなと思ったりもしました。
でもこれからPTはきっと新しいことをしてくれる人が出てくれると思います。海外留学経験だけをブランドにする偽物ではなく、そんなことをしようがしまいが、素晴らしいものを創りだす人、そしてどこにでも発信もできるような人が出てくるはずです。「世界に通用する」なんていう言葉は当たり前になりすぎて使わなくなる日が来て欲しいと思いました。

写真はカナダで出会った動物たちです。アパートの前にも小さいアライクマに似たものがいるのですが、すばしこくてなかなか撮れません。ヘラジカは道で会いましたがでっかかったです。calgary167.jpg
calgary183.jpg
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